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フィリピン人との国際結婚の手続き方法とは?流れや必要書類、注意点を解説

“アジアの楽園”とも呼ばれるセブ島があるフィリピンは、海外への労働者派遣に熱心な国の一つです。日本国内においてもフィリピン人との出会いのチャンスは多いでしょう。

 

この記事では、フィリピン人との国際結婚の手続きについて、手順や必要書類、注意点などを分かりやすく解説していきます。

 

また、フィリピン方式で行う婚姻手続き方法、日本方式で行う婚姻手続き方法といった、両国での国際結婚の手続きについて、それぞれのやり方を紹介します。

フィリピン人との国際結婚に必要な手続きの流れは?

日本とフィリピンの国際結婚に限らず、手続きを行う際はどちらの国で先行して行うのかを決める必要があります。どちらで先に手続きを行っても問題ありませんので、パートナーと話し合って決めましょう。

フィリピン人との国際結婚|先にフィリピンで手続きを行う場合

まず、フィリピンで先に婚姻手続きをする方法を解説します。ここでは日本人が用意する書類に加えて、フィリピン人が用意する書類を紹介しています。

1.【在フィリピン日本国大使館・領事館】日本人の婚姻要件具備証明書を取得

フィリピンで先に国際結婚の手続きを行う場合、まず日本人がフィリピンに行く必要があります。そしてフィリピンで婚姻要件具備証明書を申請・取得します。

 

この書類は在フィリピン日本大使館・領事館で申請・取得可能です。取得できる都市はフィリピンのダバオ・マニラ・セブ島です。

 

<必要書類>

<日本人が用意する書類>

1.発行後3ヶ月以内の戸籍謄本
2.発行後6ヶ月以内の改製原戸籍あるいは除籍抄本
3.パスポート

※離婚歴や死別歴がある場合は、その内容が記載されている必要があります。また、離婚歴がある場合は「離婚証明書」も用意します。

 

婚姻履歴の記載がない場合、婚姻履歴が載っている発行後6ヶ月以内の除籍抄本または改製原戸籍が必要です。初婚であっても、転籍などで戸籍謄本で婚姻歴の有無が定かではない場合、発行後6ヶ月以内の除籍謄本あるいは改製原戸籍の準備が必要です。

<フィリピン人が用意する書類>

出生証明書(原本・要照合済スタンプ)
※PSA発行

出生証明書がない場合や不鮮明な記載の場合、オリジナルの洗礼証明書・出生記録不在証明書と有効期限内のパスポートが必要です。

2.【フィリピンの市町村役場】婚姻許可証の取得

発行された婚姻要件具備証明書を持って、相手方のフィリピン人が直近半年間住んでいる都市、あるいは居住していた都市の市区町村役場へ2人で向かい、婚姻許可証を申請しましょう。

 

なお、婚姻許可証の有効期限は120日間なので、期限内に必ず申請しましょう。期限を過ぎてしまうと使用不可になるため、なるべく早めに手続きを行ってください。

 

※申請に必要な書類等は市区町村役場によって違うことがあるため、事前の確認をおすすめします。
※日本の印鑑が必要な場合があります。

3.【フィリピン】挙式

フィリピンで婚姻手続きを行った場合、必ず挙式しなくてはなりません。これはフィリピンにおける家族法第2~8条にて定められています。

 

婚姻挙行の担当する者(挙行担当官)と婚姻する場所が定められており、その場所にて挙行担当間及び証人2人(成人している者)の前で結婚の宣誓を行います。証人と結婚する当事者2人が婚姻証明書にサインし、挙行担当官が認めることで正式に婚姻が成立します。

4.【フィリピンの市町村役場または国家統計局】婚姻証明書の謄本の取得

結婚式(挙式)が終わったらPSA(旧NSO)にて登録が行われるので、婚姻証明書謄本の発行をしてもらいましょう。

 

<申請方法>

・フィリピン人配偶者がケソンシティのNSO事務所にて申請・発行してもらう
・E-CENSUSのサイトからオンライン請求あるいは郵送で請求し、発行してもらう

この証明書は後に日本で婚姻手続きを開始するときに必要になります。都市部での婚姻の場合およそ10日間で登録完了しますが、地方都市など田舎の地域で婚姻手続きを行った場合はPSA登録まで時間を要する場合があります。

5.【日本の市区町村役場または在フィリピン日本国大使館】日本の婚姻届の提出

フィリピンでの結婚手続きが終了したら、日本側へ婚姻届を提出します。フィリピンでの国際結婚の手続き完了後、3ヶ月以内に行う必要があるので注意しましょう。

 

提出先はフィリピンにある日本大使館あるいは日本の市区町村役場です。

 

<必要書類>

<日本人が用意する書類>

1.婚姻届
2.戸籍謄本(本籍地以外の市区町村役場の場合)

<フィリピン人が用意する書類>

1.婚姻証明書(PSA発行)
2.出生証明書(PSA発行)
3.パスポート

※上記のフィリピン発行の書類の日本語訳文も必要です。

フィリピン人との国際結婚|先に日本で手続きを行う場合

続いて、先に日本で国際結婚の手続きをする場合について解説します。

1.【在日フィリピン大使館】フィリピン人の婚姻要件具備証明書を取得

まずは結婚したい2人がそろって在日フィリピン大使館におもむき、フィリピン人の婚姻要件具備証明書の申請をします。

 

<必要書類>

<日本人が用意する書類>

1.パスポートとコピー
2.発行後3ヶ月以内の戸籍謄本とコピー
3.証明写真3枚(パスポート用のサイズ)

日本人に離婚歴がある場合、離婚の事実が載っている書類かどうかを確認する必要があります。記載されていない戸籍謄本の場合は、その事実にさかのぼって離婚歴等の記載がある、除籍謄本あるいは改製原戸籍を準備してください。

<フィリピン人が用意する書類>

1.PSA発行の出生証明書(外務省認証済)とコピー
2.PSA発行の独身証明書(外務省認証済)とコピー
3.パスポートとコピー
4.在留カードとコピー
5.証明写真3枚(パスポート用サイズ)
6.18歳から20歳以下は両親の同意宣誓供述書
7.21歳から25歳以下は両親の承諾宣誓書

※2の独身証明書(CENOMAR)は使用目的が「結婚」であり、発行後6ヶ月以内のもの
※6~7は必要に応じて適宜取得

2.【日本の市区町村役場】日本の婚姻届の提出

婚姻要件具備証明書の取得が終わったら、市区町村役場へ婚姻届を出します。

 

<必要書類>

<日本人が用意する書類>

1.婚姻届
2.戸籍謄本(本籍地以外で手続きする場合)

<フィリピン人が用意する書類>

1.在留カード
2.パスポート
3.婚姻要件具備証明書
4.出生証明書(PSA発行)

※フィリピン発行の書類は日本語訳文が必要です。
※市区町村役場によって必要な書類が違うことがあるため、事前に問い合わせることをおすすめします。

3.【在日フィリピン大使館】フィリピンの婚姻届の提出

日本の婚姻届が受理されたら、フィリピン側へも婚姻届を出しましょう。提出先は日本にあるフィリピン大使館です。

 

<必要書類>

<日本人が用意する書類>

1.婚姻の事実が記載された戸籍謄本とコピー4部
2.パスポートとコピー4部
3.婚姻届の記載事項証明書とコピー4部
4.証明写真4枚(パスポート用サイズ)
5.レターパック520(返信用)郵便局やコンビニで入手可

<フィリピン人が用意する書類>

1.パスポートとコピー4部
2.証明写真4枚(パスポート用サイズ)
3.Report of Marriage (婚姻届出書)※記入したもの
4.遅延届宣誓供述書

3の婚姻届出書は大使館のホームページからダウンロード可能です。

 

4の遅延届宣誓供述書は、日本で婚姻した後、1年以上経過してからフィリピンへ届け出る場合に提出が求められます。ただし、次の都道府県で婚姻が成立した場合、婚姻日から30日以内に報告する必要があります。

北海道、秋田、青森、山形、宮城、岩手、福島、栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、神奈川、東京、沖縄

参考:フィリピン共和国大使館

 

日本での結婚後が成立した後、配偶者であるフィリピン人が引き続き日本で生活していく場合、配偶者ビザの申請や在留資格の変更が必要になります。

4.【居住地の地方出入国在留管理局】配偶者ビザの申請

フィリピン人の配偶者が日本で不自由なく生活していくためには、配偶者ビザの取得が必須です。この在留資格を持っていると、就労の制限がない・自由に学校へ通えるといったメリットがあります。

 

しかし、配偶者ビザは日本人と国際結婚したからといって必ず取得できるわけではありません。特にフィリピン人と日本人の結婚には偽装結婚が見られるケースもあるため、入国管理局の審査が厳しくなりがちです。

 

偽装結婚ではないことを証明できる書類を慎重に収集し、申請に挑みましょう。行政書士をはじめとした専門家のアドバイスを受けるのもおすすめです。

フィリピン・日本のどちらで先に国際結婚手続きを行うべき?

フィリピン人のパートナーがすでに日本に滞在している場合、日本方式で手続きを行う方がスムーズでしょう。一方、フィリピンからパートナーを呼び寄せる場合は短期滞在ビザの取得が必要となるため、フィリピン方式の方が手続きが早く済みます。

 

いずれの場合も、申請にかかる時間や労力、結婚生活をどちらの国で始めるのかを考慮し、話し合って決めることをおすすめします。

フィリピン人との国際結婚手続きに関する注意点

ここからは、フィリピン人と国際結婚をする際、注意しておきたいことを解説します。

フィリピン人との国際結婚に必要な婚姻要件具備証明書とは?

国際結婚において、多くの国の役所では「婚姻要件具備証明書」の提出を求められます。フィリピン人との婚姻の場合も必要になる書類のため、概要を理解しておきましょう。

婚姻要件具備証明書の概要

婚姻要件具備証明書は、自国民と結婚する外国人が結婚要件を満たしているかどうかを確認するために用いられる書類です。

 

日本の役所は、フィリピンの結婚要件を把握しているわけではありません。そのため、申請者が結婚要件を満たしているかどうかを婚姻要件具備証明書の記載内容で確認するのです。

 

反対に、フィリピンの役所においても、申請者が日本の結婚要件を満たしていることを婚姻要件具備証明書で判断します。

 

婚姻要件具備証明書は、先に結婚手続きをする国が自国でない方の申請者が提出します。フィリピンで先に結婚するなら日本人が、日本で先に結婚するならフィリピン人が自国に請求し、取得しておく必要があります。

独身証明書での代用は不可

独身証明書は、独身であること(重婚にならないこと)を証明する書類です。しかし、結婚相手の氏名や国籍、生年月日などは記載されないため、婚姻要件を満たすことの証明としては不十分です。

 

また、戸籍謄本も婚姻要件具備証明書の代用として扱われないため、申請時は書類の不足が生じないよう気を付けましょう。

フィリピンには「離婚」の制度が存在しない

フィリピンには離婚という制度が存在しません。フィリピンではキリスト教の教えに基づいて法律が作られているため、宗教的な背景のもと離婚という概念がそもそもないのです。

 

日本国内での離婚手続きについては、日本の市区町村役場で離婚届を提出すれば問題なく受理されます。しかし、その後フィリピン人が再婚するためには別途手続きが必要になります。

 

日本での離婚が成立しても、フィリピンでは婚姻関係が残ってしまうため、フィリピンにて離婚を認めてもらうための裁判を行う必要があります。

フィリピン人との国際結婚は審査が厳しい傾向にある

フィリピン人との国際結婚をした後、日本で暮らしていく場合は在留資格の変更や配偶者ビザの申請をすることになります。しかし、フィリピン人の配偶者ビザ取得は難度が非常に高いことを事前に知っておきましょう。

 

特に、フィリピンパブをはじめとした飲食店で知り合った仲だと、偽装結婚の疑いが厳しくなるケースがあります。さらに、交際期間が短い場合などは、それに伴ってビザ申請の際に必要な証拠書類(出会った頃からの時系列の写真など)が用意できず、2人の出会いには偽りや矛盾点があると判断され兼ねないのです。

 

結婚前に、フィリピン人のパートナーと出かけた際には必ず2人が写ったスポット写真を撮影する、電話やメッセージ履歴を残しておくようにしましょう。こうした交際の記録を残すことで、純粋な恋愛だと判断されやすくなります。

 

2人の思い出や普段のやりとりを証拠書類として提出できれば、審査もクリアしやすくなるでしょう。

各書類のフィリピン語・日本語翻訳が必要

フィリピン人と国際結婚の手続きをする際、お互いの国発行の書類は提出先の言語に翻訳する必要があります。自分で翻訳できる場合は問題ありませんが、不安な場合には翻訳会社に依頼することをおすすめします。

 

※翻訳した書類には翻訳者の署名が必要です

 

また、国際結婚手続きを行政書士に依頼する場合、翻訳もあわせて依頼できることがあるため相談してみましょう。

まとめ

フィリピン人との国際結婚手続きは、正しい手順を知っていれば複雑ではありません。

 

しかし、婚姻が成立した後「日本で一緒に過ごしたくても配偶者としての在留資格を得ることが難しい」「離婚したくてもフィリピン側でなかなか認められない」といった問題が発生することがあります。

 

特に、日本での配偶者ビザの申請は、手続きに詳しくなければ難航するケースが多いでしょう。さむらい行政書士法人では、豊富な実績・経験をもとにフィリピン人の配偶者ビザ申請も承っております。自身での申請に不安がある人は、ぜひ一度お問い合わせください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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