観光・保養を目的とするロングステイの特定活動ビザとは?申請方法など解説(外国人富裕層向け)
観光・保養を目的とするロングステイの特定活動ビザとは?申請方法など解説(外国人富裕層向け)
外国人の方が日本に滞在するには、目的に適したビザを取得しなければなりません。
現在、特定活動ビザ(観光・保養を目的とするロングステイ)の申請をお考えの方の中には、
「ビザの内容は?」
「手続き方法は?」
と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、観光・保養を目的とするロングステイの特定活動ビザについて詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
観光・保養を目的とするロングステイ
ここでは、ビザの概要について見ていきましょう。
特定活動は大きく分けて3種類
在留資格「特定活動」は、大きく分けて以下の3種類あります。
種類 | 主な在留資格 |
---|---|
出入国在留管理および難民認定法に規定されている特定活動 | 専門的な研究や情報処理機関で働く外国人とその家族向けの在留資格です。
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告示特定活動 | あらかじめ指定されている活動を認める在留資格です。 例えば、以下のような活動があります。
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告示外特定活動 | 法務大臣が申請者の事情を考慮し、個別に活動を認める在留資格です。 例えば、以下のような活動があります。
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本記事で紹介する観光・保養を目的とするロングステイの「特定活動」は、告示特定活動の1つで、40号・41号に分類されます。
特定活動ビザ:特定活動(観光・保養を目的とするロングステイ)の概要
特定ビザ:「特定活動40号・41号」は、経済的に余裕のある外国人を対象としたロングステイビザです。
通常、観光目的で来日するケースでは、短期滞在ビザを取得するのが一般的です。
しかし、短期滞在ビザでは、最長90日間しか日本に滞在できません。「特定活動40号・41号」は、90日を超えて日本で観光・保養をしたい方向けに設けられた、比較的新しいビザの1つです。
種類 | 40号:観光・保養を目的とするロングステイ 41号:40号の方に同行する配偶者 |
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対象者 | ビザ免除国・地域の者で、条件を満たす者 条件については、後述します。 |
在留期間 | 6カ月(最長1年間) |
できる活動 |
|
対象者
対象となる条件は、以下のとおりです。
- ・1.短期でのビザ免除国の国籍・地域の者
- ・2.年齢18歳以上
- ・3.日本円換算で3,000万円以上の預貯金がある(夫婦の合算OK)
- ・4.死亡・負傷・疾病にかかる海外旅行保険などに加入する
- ・5.41号の方は、40号で許可される者と法律上の結婚をしている
- ・6.41号の方は、40号で許可される者に同行する
ここで言う「同行」とは、40号の者と一緒に行動するという意味です。
滞在中の買い物など、ある程度の単独行動はできます。ただし、夫婦で別の場所に宿泊したり、別の場所を観光したりなどは認められていません。
別行動をしたい場合は、夫婦それぞれが単独で40号の申請をする必要があります。夫婦2人が単独でビザを申請するには、日本円換算で6,000万円以上の預貯金が条件になるため、注意しましょう。
加えて、事実婚や外国で有効に成立した同性婚も認められません。
在留期間について
在留期間は、原則6カ月です。
1回の更新が可能で、最長1年間滞在できます。期間を延長したい場合は、初回の在留期間6カ月が切れる前に、出入国在留管理局にて在留期間更新許可申請をしてください。
在留の再入国は可能?
在留期間の途中で日本を出て再入国する場合は、出国する前に再入国許可申請の手続きを行います。
出入国在留管理局にて、以下の書類を持参し手続きを行いましょう。
- ・再入国許可申請書
- ・在留カードまたは特別永住者証明書
窓口で提示します。
- ・パスポート
パスポートを提示できない方は、その理由を記載した理由書を用意しましょう。
- ・手数料納付書
許可されると、手数料3,000円(一回限り)もしくは6,000円(数次)が必要です。納
再入国許可申請は、日本に在留する外国人の方が一時的に出国し再び入国しようとする場合に、入国・上陸手続きを簡略化するために法務大臣が出国に先立って与えられる許可です。
3カ月以下の在留期間を付与された方・在留資格「短期滞在」で在留する外国人の方以外は、出国の日から1年以内に再入国する場合、みなし再入国許可を受けられます。原則として、通常の再入国許可の取得は不要です。
特定ビザ:特定活動(観光・保養を目的とするロングステイ)のメリットとデメリット
メリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
- ・最長1年間滞在できる
- ・配偶者も同行できる
- ・国民年金に加入しなくてもよい
デメリット
- ・子どもの同行はできない
- ・収入・報酬をともなう活動はできない
- ・アルバイトなど資格外活動許可がおりない
申請方法
ここでは、手続き方法について見ていきましょう。
申請の流れ
手続きの流れは、以下のとおりです。
新規で取得する場合
在留資格「特定活動40号・41号」を取得するには、出入国在留管理局にて在留資格認定証明書交付申請の手続きをします。
- ・必要書類の作成・準備
- ・在留資格認定証明書交付申請の手続き
- ・審査
- ・在留資格認定証明書の発行
- ・ビザの申請
- ・ビザの発給
- ・入国
期間を更新する場合
期間を延長したい場合は、出入国在留管理局にて在留期間更新許可申請の手続きをします。
- ・1.必要書類の作成・準備
- ・2.在留期間更新許可申請の手続き
- ・3.審査
- ・4.期間の更新
必要書類
必要書類は、以下のとおりです。
共通書類
- ・在留資格認定証明書交付申請書 1通
- ・写真 1葉
指定の規格を満たした写真を、上記の申請書に添付して提出します。
- ・返信用封筒 1通
定形封筒に宛先を記入し、簡易書留用の郵便切手を貼付します。
40号
- ・滞在中の活動予定を説明する資料 適宜
上記の申請書に詳細を記載していれば、別途用意する必要はありません。
- ・申請人名義の銀行の預貯金口座の現在の残高、および申請の時点からさかのぼって過去6カ月分の当該口座の入出金がわかる資料
最終取引まで記載されている預貯金通帳の写しを用意しましょう。
過去6カ月分の当該口座の入出金がわかる資料を提出できない場合は、提出できない理由を文書で説明できるように準備し、資産形成過程がわかる資料を用意しましょう。
- ・民間医療保険の加入証書および約款の写し 適宜
滞在予定期間に応じた保険期間で、保証内容に在留中の死亡・負傷・疾病を患った場合が含まれているものに加入してください。
41号(40号の配偶者)
- ・申請人の配偶者の在留カードまたはパスポートの写し 1通
- ・滞在中の活動予定を説明する資料 適宜
- ・申請人の配偶者との身分関係を証明する文書(結婚証明書など) 1通
- ・民間医療保険の加入証書および約款の写し 適宜
申請にかかる期間
審査にかかる期間は、通常1〜3カ月です。
法務省のデータによると、令和5年4月〜6月の許可分で、在留資格「特定活動」の審査処理期間は42. 9日間、在留期間更新では36. 9日間でした。
書類などに不備があると、審査が長引く可能性が高まります。入念な準備をしてから、手続きに進みましょう。
注意点
申請に関する注意点は、以下のとおりです。
- ・1.申請書はA4サイズで、片面1枚ずつ印刷する
- ・2.日本で発行される証明書はすべて発行日から3カ月以内のものを提出する
- ・3.外国語で作成された書類は、日本語訳を添付する
- ・4.原則として、提出した書類は返却されないため、再度入手するのが困難な書類(原本)などの返却を希望する場合は、申請時に申し出る
まとめ
この記事では、特定ビザ40号・41号について解説しました。
特定ビザ40号・41号は、在留資格「特定活動」の1つで、観光や保養を目的としたロングステイビザです。
在留中は、収入や報酬を受ける活動はできません。滞在費用のすべてを預貯金でまかなう必要があるため、経済的に余裕のある外国人、いわゆる富裕層向けのビザと言えます。
スムーズに手続きを進めたい方は、行政書士などのビザの専門家に依頼するのがおすすめです。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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