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高度専門職ビザと高度人材ポイント制
高度専門職ビザは、高度な専門性を有する外国人材を対象とした在留資格です。高度人材ポイント制は、高度専門職ビザを取得するためのポイント制です。
本記事では、高度専門職ビザと高度人材ポイント制について、概要や優遇措置などについて解説します。高度専門職ビザの取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
高度専門職とは
日本において、高度専門職ビザを取得できる外国人は「高度人材」と呼ばれます。高度人材は以下の3つの活動内容に分けられます。
- 1.高度学術研究活動:日本の公私の機関との契約に基いて行う研究、研究の指導又は教育をする活動
- 2.高度専門・技術活動:日本の公私の機関との契約に基いて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
- 3.高度経営・管理活動:日本の営利を目的とする法人等の経営を行い又は管理に従事する活動
日本政府は海外の優秀な外国人を呼び込み、日本国内を活性化しようとしています。上記のような実績がある外国人には優遇措置が与えられます。
高度専門職の分類
高度専門職は1号・2号に分かれ、さらに1号はイ・ロ・ハの3種類に分かれます。なお、「高度人材2号」は1号からしか変更できません。
高度専門職1号とは
高度人材と認定された外国人に最初に付与される在留資格です。2018年8月に実施された「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」改正前は「特定活動(高度人材)」ビザが発行されていましたが、改正で独立した在留資格となりました。
高度専門職1号は活動の内容により3つに分類され、「学歴」「職歴」「年収」に応じてポイントを算定します。申請できる外国人は、就労ビザを取れる要件を満たし、上記の合計ポイントが70以上の方となります。
優遇措置
高度人材として入国・在留が認められた場合、以下のような優遇措置を受けられます。
複合的な在留活動の許容
外国人は許可された在留資格の範囲内でしか活動できませんが、高度専門職を取得すると、関連する複数の在留資格にまたがる活動も行えるようになります。
在留期間「5年」の付与
他の在留資格、例えば「技術・人文知識・国際業務」の場合は、本人の経歴や企業の信頼度によって1年か3年の場合が多いですが、高度専門職の場合は5年が与えられます。
在留歴に係る永住許可要件の緩和
永住許可は日本で10年以上居住し、その中で5年以上の就労経験が必要ですが、高度専門職は当該の活動を5年以上行うことで永住許可要件を満たします。
配偶者の就労
外国人配偶者は「家族滞在」の在留資格となり、資格外活動許可を取得しても週28時間までという制限があります。また社員として「技術・人文知識・国際業務」の活動を行おうとする場合は「技術・人文知識・国際業務」の取得要件として本人の学歴等の要件が必要ですが、学歴等を満たさない場合でも就労できるようになります。
一定の条件の下での親の帯同
高度人材の親や、高度人材の配偶者の親を呼ぶことができるようになります。外国人の親についてはそもそも在留資格がないため、日本で同居するためには「かなりの老齢である」「病気がある」などの要件があり難しいのですが、高度専門職の場合はハードルが下がります。
一定の条件の下での家事使用人の帯同
家事使用人は、通常「経営管理」「法律会計業務」の在留資格を持つ一部の外国人にしか認められていませんが、高度専門職を取得すれば家事使用人を帯同できるようになります。
入国・在留手続の優先処理
一般の就労系在留資格の審査は1~3ヶ月かかりますが、高度専門職の場合は5~10日の短い期間で審査を終えるように優先されます。
高度専門職2号とは
在留資格「高度専門職1号」を持って一定期間(3年以上)在留した者に付与されます。
優遇措置
・高度専門職1号の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができる
・在留期間が無期限となる ※実質永住許可を同じ意味を持つようになります
・「配偶者の就労」「入国・在留手続の優先処理」などは高度専門職1号と同様に適用されます
高度人材ポイント制とは?
日本の現行の「高度人材ポイント制」は、日本の経済成長等に貢献することが期待されている高度な能力や資質を持つ外国人を対象に、ポイント制による出入国在留管理上の優遇措置を講じている制度です。この制度は、2012年に導入されて以来、毎年受入れ件数が増加しており、2022年には約41万人の高度人材が認定されています。
この制度では、外国人の活動内容を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つに分類し、それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」「研究実績」などの項目ごとにポイントを設けています。ポイントの合計が70点以上になると、高度人材として認定され、先述したの優遇措置を受けることができます。
高度人材ポイント計算の参考書式は出入国管理庁のホームページよりダウンロードできます。
学歴
学歴は、博士号取得者、修士号取得者、学士号取得者の順にポイントが高くなります。
職歴
職歴は、在留資格の取得・更新・変更を希望する活動に関連する職歴の有無や期間、年収などによりポイントが加算されます。
研究実績
研究実績は、国内外の学術誌や国際会議などで発表された論文の数や質、受賞歴などによりポイントが加算されます。
資格・技能
資格・技能は、国家資格や公的資格、外国の資格・表彰などによりポイントが加算されます。
役職
役職は、日本企業の役職や外国企業の役職、国際機関の役職などによりポイントが加算されます。
なお、高度専門・技術活動と高度経営・管理活動のいずれかにおいて、年収が300万円未満の場合は、ポイントの合計が70点以上であっても、高度人材として認定されません。また、2022年12月には制度の一部見直しが行われました。主な見直し内容は、以下の通りです。
・高度学術研究活動の「研究実績」の項目に国内外の学術誌や国際会議などで発表された論文の被引用数を加算する
・高度専門・技術活動の「資格・技能」の項目に専門的なスキルを証明する資格・表彰を加算する
・高度経営・管理活動の「役職」の項目に外国企業の役職を加算する
の見直しにより、高度人材の多様性や能力をより正確に評価できる制度となることが期待されています。
高度専門職1号ロを取るためには?
高度専門職1号ロの取得にあたっては、まず以下に記す2件の「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしている必要があります。
- 1.次のいずれかを満たすこと
・自然科学または人文科学の分野に属する技術または知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと
・自然科学または人文科学の分野に属する技術または知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了したこと(専門士または高 度専門士)
・10年以上の実務経験(大学などで関連科目を専攻した期間を含む)
- 2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
上記の2件に加えて、高度人材ポイント制で学歴・職歴・年収などの評価項目ごとの点数の合計が70点以上あることが必要です。
評価70点に達する例
・外国の大学で修士号(経営管理に関する専門職学位MBA)を取得(25点)し、IT関連で7年の職歴(15点)がある30歳(10点)の者が、年収600万円(20点)で、経営支援ソフトの開発業務に従事する場合
・日本の大学を卒業して学士を取得(10点+ボーナス10点)し、日本語能力試験でN1を取得(15点)し、IT告示で定められている試験の2つに合格(10点)している23歳(15点)の者が、年収400万円(10点)でIT業務に従事する場合
ポイント換算表のダウンロード
まとめ
高度専門職ビザと高度人材ポイント制について解説してきました。ポイント換算などで迷われる場合などは、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
「さむらい行政書士事務所」は、豊富な経験を基に、高度人材ビザの取得をお手伝いいたします。お困りの際は、ぜひ当法人のサポートをご検討ください。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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